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山に木を植えよう!~獣害防止ネット設置~

育てた広葉樹の苗木を植えるべく、活動地で準備を始めました!

植えた苗木がシカに食べられることを防ぐため、獣害防止ネットを設置します。

1990年ころから前後して、紀伊半島や、全国の多くの森林で、シカによる天然林の自生苗・稚樹の食害、人工林の苗木の食害が森林の次世代更新にあたり大きな問題になってきました。自然に芽生えた苗、人間が植えた苗、いずれも大量に増えたシカの食害をうけ、次世代の森林になる高木が育つことができないのです。

これは生態学的見地から、シカの天敵であるオオカミが明治38年の捕獲記録を最後に絶滅に到ったことが根本的な要因として指摘されるべきものです。当時の欧米のオオカミ根絶活動を倣うのみで自然の法則を理解できなかった、あえて言えば今でも理解しようとしない人間の浅はかさを反省すべきと強く思います。

ネットを張らない場合、伐採跡地が再び森林の姿に戻る保証はありません。その場所にシカが多ければ、シカが食べないシダや有毒植物が繁茂する、非常に違和感のある草原的な植生が成立してしまい、本来の森林に遷移することができなくなってしまいます。これは森林や、さらには河川、それにつながる沿岸海域の生態系、そしてそこに住む人間にとって致命的な問題点です。

ネットを張ったからと言ってシカの増加が止まるわけではありません。現在の森林生態系のかかえる問題を強く感じながら、それでもネット張り作業を頑張っています。