里山管理と薪づくり

里山

(里山の写真)

〇変容した里山

かつて、山里や農村の集落の周りには里山がありました。人々が薪を使って暮らしていた時代、つまり長い歴史のつい数十年前まで、農山村の住民は里山を利用しながら生活していました。しかし、いま人手が入らなくなった里山の木々は10年、20年と時を経て、日々手つかずの森に向かって変容しています。

今後里山をどうしていくかは、森林の持ち主に任されています。地区の共有なら地区の住民の意思で決定します。もう生活に利用しなくなって放置されている里山があったとします。これを今後とも放置し、自然の森として維持していくことも1つの選択かもしれません。いわゆる「鎮守の森」のように、面積は小さくとも本来の自然を各地域で保全していくのも大切なことです。

〇里山を利用する

一方で、もう一度里山を利用し、生活の中に森林との接点を取り戻していくことも意義のあることです。里山ではいろんな木が天然更新していますが、必要に応じてそれを助けたり抑制したりして、人間の生活に役立つように、営々と森林を維持管理していくのです。

生活の一部として森林と接していると、だんだん森林のことが分かってきます。里山という森林とつながると、自然のことに無関心ではいられないし、自然の一部を体で感じることができます。いろんな植物や動物などがいて、それぞれが生まれついての特徴的な体をもって生きていて、人間や人間以外の生き物たちにとって互いに大切であることなど、様々なことが、自分自身の視点からより深く理解できるようになると思っています。

薪づくり

薪と薪割り機縮
薪と薪割り機

里山で役に立つ木を伐採した時は、その切り株から出た芽を育てて、最終的には複数の幹が株立ちした高木になるようにします。役に立つ木の萌芽枝は残し、不必要な樹種は萌芽枝を切って他の木の邪魔にならないようにします。このように管理することで、有用な木が多く生活に役立つ里山が維持されていくのです。

里山の代表的な利用方法は、薪や炭の原木を育てる薪炭林です。熊野の森をつくる会でも、放置された里山から薪原木を伐採し、切り株からの萌芽更新や広葉樹の苗の植栽することなどで、里山を再び生活に役立てていく活動をしています。