熊野の森をつくる会では、人工林の間伐を進めています。日ごろから林業をしているメンバーを中心に、本当に良い「山」をつくるためにはどうしたらよいか、皆で考えながら作業をしています。
スギ、ヒノキは適地に植えて適切に育成することで、良質な素材となります。地球温暖化の原因とされる二酸化炭素を吸収して育つため、カーボンニュートラル(利用しても最終的に二酸化炭素の増減がない)で、地球にやさしい資源です。
いま人工林が悪者扱いされているのは、明治以降に増加した天然林伐採、戦後に不適地や奥地まで大面積に植栽した事、その後の木材輸入自由化にともない木材価格が下落しため手入れが行き届かず林地が荒れてしまった事などのためです。
林業は森林資源を育てたり利用したりする経済活動ですが、人工林で効率的に木材を生産できれば、一方で保全すべき貴重な天然林を伐採しなくても済みます。林業や林業技術というものは人間が自然を利用して生きていくための「道具」なのですから、使い方しだいで自然環境を守り、自然と共生していくことができるのです。